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医療法人設立

医療法人とは

医療法人とは、医療法の規定に基づき、病院、医師もしくは歯科医師が常時勤務する診療所または老人保健施設を開設しようとする医療法人社団又は医療法人財団で、都道府県知事の認可を受けて設立される法人のことを指します。

医療法人設立のメリットとデメリット

メリット
  1. 介護事業・分院設立などの、事業展開を広げることができる。
  2. 資金繰りについては借入面で個人枠とは別に法人枠で借入できるようになる。
  3. 個人の財産と法人の経営が分離されるため、家計と経営の資金運営がされやすい。
  4. 院長(理事長)とその家族に役員報酬を支払うことができるため、所得の分散化を図ることができる。その結果、節税が見込まれるので院長家族は手元に残る現金が増えることになる。
  5. 理事長や理事長家族に退職金を支払うことにより、退職所得扱いになった金額に対してかかる税金をかなり節税できる。
  6. 個人経営は最高で50%の税率がかけられるが、法人税では40%程度におさえられる。
  7. 法人役員の生命保険料を法人が支払うように契約できるため、個人としての負担が減る。
  8. 交際費を計上しやすくなる。
  9. 車両を法人名義にすることで、全額を法人の経費とすることができる。
  10. 繰越損金を、7年の間繰り越すことができる。
  11. 院長が職務続行不可能になったとき、一時的にでも理事長を立てることで法人を継続できる。理事長の子息がいずれ医師になるまでの間をつなぐこともできる。
デメリット
  1. 法人の正社員は全員社会保険に加入しなければならないため、事業主分の負担が増加する。
  2. 法人としての資金は、理事長であっても個人での使用はできない。個人で法人から借りる場合には、利子を付けて返すことになる。
  3. 煩雑な書類手続き(登記や決算書の届けなど)が決算期毎に必要になる。
  4. 利益の不当な流用がないかなどのチェックが都道府県から入る。

医療法人設立の要件

医療法人設立の要件には、大きく分けて「人的要件」と「財務的要件」があります。

人的要件

【役員】

【理事】(3名以上)
理事のうち医師または歯科医師1人を理事長に選任します。
例外的に理事の人数を2名にすることもできますが、理事を2名とするには、常勤医師が1名の診療所を1ヶ所のみ開設している医療法人で、都道府県知事の認可を受けた場合のみです。
実務上は、設立認可の際は原則通り理事3名以上を選任しないと、受け付けてもらえないとお考え下さい。

【監事】(1名以上) 監事は理事を監督する立場にあるので、法人の利害関係者や理事の親族(6親等以内が目安)などは就任できません。
また、特に資格が必要なわけではありませんので、税理士や会計士でなくても就任できます。
なお、理事・監事のいずれも、未成年や取引先企業の役職員の就任は実務上受け付けてもらえません。
取引先には顧問税理士やコンサルタントも含まれますので、これらの方も就任できません。

【社員】(設立者) 原則として3人以上です。株式会社でいう株主のイメージに近いもので、社員総会では拠出金額に関わらず1人につき1議決権を持つことになります。
役員選任や定款変更には社員総会の決議が必要になります。
また、拠出していない方でも社員になれます。

財務的要件

【拠出財産】
  1. 不動産、借地権
  2. 預貯金
  3. 医業未収入金
  4. 医薬品・材料など
  5. 医療用器械備品
  6. 什器備品
  7. 電話加入権
  8. 保証金等
  9. 内装付帯設備
  10. その他
【負債】

拠出財産の購入のための金融機関への負債は引き継ぐことができます。
例えば、内装設備工事のための金融機関からの借入金は、内装設備を拠出する場合にはセットで医療法人に引き継ぐことができます。
運転資金や消耗品購入費用の負債は引き継ぐことができません。

【リース契約】

院長個人から医療法人への名義変更について、リース会社の承諾があれば、リース契約を医療法人に引き継ぐことができます。
実務上リース会社が承諾しないことはあまり考えられませんが、リース会社の承諾書が必要ですので、事前の打ち合わせが必要です。

【運転資金】

拠医療法人設立後の運転資金として年間支出予算の2ヶ月分の拠出が必要です。
運転資金は預貯金や医業未収金(国民健康保険や社会保険診療報酬支払基金の未入金分)など換金性が高いもので算出され、医療法人設立後の借入金は運転資金として算入出来ません。
なお、医業未収金だけで運転資金2ヶ月分が確保できるのであれば、預貯金を拠出する必要はありません。

また、役員就任予定者が下記の欠格条項に該当しないことも条件になります。

  1. 成年被後見人又は被保佐人ではない。
  2. 医療法、医師法、歯科医師法及び関係法令に現在及び過去2年間違反していない。
  3. 禁固以上の刑に処せられ、刑を執行されているか執行猶予期間中ではない。

医療法人設立の流れ

Step1. 定款・寄付行為(案)の作成

医療法人の基本的なルールである、定款等を作成します。

Step1. 定款・寄付行為(案)の作成矢印

Step2. 設立総会の開催

医療法人の社員・理事・監事が集まって設立総会を開き、医療法人の基本的事項を決定し、承認を受けます。

Step2. 設立総会の開催矢印

Step3. 設立認可申請書の作成

医療法人の設立認可申請書を作成します。

Step3. 設立認可申請書の作成矢印

Step4. 設立認可申請書の提出(仮受付)

設立認可申請書及び各種添付書類を各都道府県の窓口に申請します。

Step4. 設立認可申請書の提出(仮受付)矢印

Step5. 設立認可申請書の審査(保健所等の関係機関への照会や実地検査、面接を含む)

各都道府県で設立認可申請書の審査が行なわれます。

Step5. 設立認可申請書の審査(保健所等の関係機関への照会や実地検査、面接を含む)矢印

Step6. 設立認可申請書の本申請

申請書類の審査が終わると、医療審議会(医療法人部会)に申請書類が回されます。申請書類の審査が終わると、医療審議会(医療法人部会)に申請書類が回されます。

Step6. 設立認可申請書の本申請矢印

Step7. 医療審議会への諮問

申請書類の審査が終わると、医療審議会(医療法人部会)に申請書類が回されます。

Step7. 医療審議会への諮問矢印

Step8. 答申

医療法人設立を認可する旨の答申が行なわれます。

Step8. 答申矢印

Step9. 設立認可書交付

医療法人認可書及び認可証明書の受領用紙と引き換えに、認可書と認可証明書が送付されます。

Step9. 設立認可書交付矢印

Step10. 設立登記申請書作成・登記申請

医療法人認可の日から2週間以内に主たる事務所を管轄する法務局で医療法人の設立登記を行います。

Step10. 設立登記申請書作成・登記申請矢印

Step11. 登記完了(法人設立完了)

登記が完了すると、医療法人が成立します。

Step11. 登記完了(法人設立完了)矢印

Step12. 登記完了届・医療法人登記簿謄本の提出

登記完了届・医療法人登記簿謄本を各都道府県の窓口に提出して下さい。

Step12. 登記完了届・医療法人登記簿謄本の提出矢印

Step13. 病院(診療所)開設許可申請

保健所に、法人による病院(診療所)開設許可申請、個人開設の病院(診療所)廃止届、法人による診療所開設届等の書類を提出します。

Step13. 病院(診療所)開設許可申請矢印

Step14. その他諸官庁への事業開始に伴う各種届出

税務署・社会保険事務所に各種届出を行います。